ブロックチェーンを活用した起業家支援!

TECHFUND Inc.総額1.2億円の資金調達を実施。ブロックチェーンなどのテクノロジーによる起業家支援を加速!】

株式会社TECHFUND(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:川原 ぴいすけ、松山 雄太)は、野村ホールディングス株式会社のコーポレート・ベンチャーキャピタルファンド(名称:野村インキュベーション投資事業有限責任組合)、ユナイテッド株式会社(東京都渋谷区、代表取締役会長CEO:早川 与規)、インフォテリア株式会社(東京都品川区、代表者:平野 洋一郎)西川 潔氏竹内 秀行氏、個人投資家数名を引受先とする1億円の第三者割当増資、並びに西武信用金庫および日本政策金融公庫から2,000万円の融資により、総額1.2億円の資金調達を実施いたしました。

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今回の増資により、前回のプレスリリースでもご紹介しましたブロックチェーンアプリケーションの開発を支援する「ACCEL BaaS」の開発と、新たな分散型スタートアップエコシステムの創造を加速させてまいります。

特に、Dapps開発新興DEX(分散型取引所)の登場ICO(※1)STO(※2)などブロックチェーン技術及びソリューションへの期待の高まりを、新たな起業家支援の仕組み作りの好機と捉えています。
ブロックチェーンアプリケーション開発を支援する「ACCEL BaaS(*3)」(https://accel-baas.io/) を足がかりに、マーケティングや資金調達を支援するプロダクトの開発および技術研究に力を注いでまいります。

まずはブロックチェーンが技術としてプロダクトや事業の中で機能し定着することを促し、そしてその先にある未だ正解のないICOやSTOなどの資金調達プラットフォームを見据えた「新時代の起業家支援エコシステム」を、TECHFUNDが企て創って行きたいと考えております。

※1 Initial Coin Offering:暗号通貨で事業の資金調達を図る仕組み。ユーティリティ・トークンを使いオファリングされる。
※2 Security Token Offering:トークンをより有価証券的に扱う形で資金調達を図る仕組み。セキュリティ・トークンを使いオファリングされる。
※3 BaaS:Blockchain as a Service。アプリケーション開発のブロックチェーン機能を提供するクラウドサービスを指します。

出典:PR TIMES

クラウドファンディングがビジネスの資金調達手段として広まりつつありますが、ICO(暗号通貨による資金調達)やSTO(企業の発行する有価証券に近い資金調達)も広まるかもしれません。現在は、暗号通貨で資産運用する会社や富裕層は、暗号通貨の相場変動による法定通貨の利益を追求しておりますが、暗号通貨での運用が可能で、日常生活やビジネスで暗号通貨を利用できるなら保有している暗号通貨を法定通貨に転換することなく暗号通貨で再投資するはずです。ベンチャー企業に暗号通貨を投資し、暗号通貨でのリターンを求め生活全般で暗号通貨を使用する時代がいつか来そうです!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000022017.html

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VRで不動産テック!

【1対Nでもぬるぬる動くVR「スペースリー」1億円調達不動産観光地紹介に活路ーー蓄積データの研究「Spacely Lab」設立も】 

360度VRの編集、配信ツールを提供する「スペースリー(Spacely)」は4月10日、Draper Nexus Venture Partners、 Archetype Ventures、DBJキャピタルの3社を引受先とする第三者割当増資を公表した。調達した資金は総額で約1億円。外部機関による出資はこれが初めてで、出資比率などの詳細は非公開。

また同社は、蓄積したデータの活用画像解析研究開発推進を目的としたSpacely Labの設立も伝えている。調達した資金で開発体制の強化や顧客サポートの充実などを進める。

スペースリーは360度のVRコンテンツをウェブブラウザから編集、配信することのできるツール。360度カメラで撮影した画像素材を用意してツールから登録し、それらの視野角や移動などを設定することで、視聴者が現場を擬似的に体験できるパノラマ型のコンテンツを配信することができる。

制作は事業者側が実施することになるが、マニュアルなどが用意されており、例えば不動産の内覧コンテンツのようなものであれば、1〜2時間程度のレクチャーで利用できる、ということだった。

特別なローカルソフトは必要なく、全てブラウザ上でサービスは完結しており、保管枚数やアカウントなどの条件に応じて3つの料金プランが用意されている。

もっとも特徴的なのは対複数に対する同時配信で、例えば大型の不動産プロジェクトなどを複数人に対してプレゼンテーションする場合など、説明している側がその場でコンテンツ内を見回ったり、移動したりする様子をリアルタイムに聴衆に対して配信ができる。

視聴側はPCブラウザはもちろん、スマートフォンを使ったVR視聴にも対応。同社がオリジナルで用意する「カセット」というグラスのアタッチメントを使うことで、簡易な没入体験を提供することができる。

価格やブラウザ完結の手軽さもあり、2016年11月のサービス開始以降、事業者ユーザー数(アカウント発行数)は650件に到達している。同社代表取締役の森田博和氏に話を伺ったところ、不動産事業者がやはり多く、ハウスメーカーや施工会社などのプロジェクト紹介に使われたり観光や防災などの分野に利用が拡大しているということだった。

出典:THE BRIDGE

ブラウザやスマホ、専用グラスで高精度のVR画像を手軽に閲覧でき、説明者や視聴者もVR画像内に表示される環境が広く利用されるようになれば、仕事の手作業や機械作業の説明、学校の授業の実習、スポーツや趣味のレクチャーも離れた場所から受けられるようになりますね!説明者の人数と拘束時間や説明のための場所を減らすことができます!

http://thebridge.jp/2018/04/spacely-fundraising

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メイクやヘアスタイルのレコメンドをARで!

【化粧品はテクノロジーに「選んでもらう」時代になる?--L’OrealのModiface買収に見るコスメ選択のこれから】 

世界的大手の化粧品メーカーL’Orealが3月16日に、美容産業向けの顔認識ARを運営するModifaceを買収したことを発表しました。L’OrealとModifaceは以前にもシステム開発などでパートナーシップを組んでいたことから、理にかなった動きだとテックメディア「THE VERGE」は報じています。

Modifaceは画像認識AR技術を用いてメイクヘアスタイルの分析とシュミレーション技術を提供しています。同社が提供する技術ではカメラに顔を写して画面上で様々なメイクシュミレーションをしたり、着る服にあわせたメイクの提案が受けたりすることができます。

その他にも、Eコマース向けのシュミレーションシステム化粧品売り場の店内向けARミラーを提供しており、BOBBI BROWNやMACといった日本でも見かけることのある多くの化粧品ブランドとも連携しています。

また、Modiface以外では、スキンケアのJohnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)の傘下であるNeutrogenaiPhoneに取り付ける形の肌スキャナを開発し、マッチするスキンケア用品を自動で提案するような動きも見せています。

出典:THE BRIDGE

AIによる画像認識の機能が向上し、カラーやデザインのコーディネートの精度が上がれば、ビジュアルで選ぶ物は全てスマホアプリのレコメンデーション機能で選ぶ時代が来そうですね!ビジュアルに限らず、自分のプロフィールや、所有物の購入履歴、立ち寄った場所、ライフログなどを手動と自動でスマホに記録しておき、要望を入力すれば、自分に合う物をいくつかの線でレコメンドしてくれると買い物が早く済みます!

http://thebridge.jp/2018/03/loreal-modiface-acquire-makeup-ar-try-on-pickupnews

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RPAによるソフトウェアロボットで手作業が不要に!

資産運用分野のRPAソリューションを提供するロボット投信、シリーズAで約4億円を調達

【資産運用分野のRPAソリューションを提供するロボット投信シリーズAで約4億円を調達

東京を拠点とするフィンテック・スタートアップのロボット投信は1日、シリーズ A ラウンドでインキュベイトファンド、テックアクセルベンチャーズ、三菱東京 UFJ 銀行、SMBC ベンチャーキャピタル、カブドットコム証券、みずほキャピタルから総額約4億円を調達したことを明らかにした。

これは同社にとって、2016年9月に実施したインキュベイトファンドからの1億円の調達(シードラウンドとみられる)に続くものだ。今回調達した資金を使って、ロボット投信は、より幅広い事業領域での資産運用 RPA(Robotic Process Automation)ソリューションの開発、人材の採用を加速、テクノロジーを活用した資産運用プラットフォームの構築を進めるとしている。

ロボット投信は、SBI ベリトランス、SBI ホールディングス、ピクテ・アセット・マネジメントなどでの勤務経験がある野口哲(さとし)氏が2016年5月に設立。

設立当初は投資信託のコールセンター業務を自動化する仕組みの開発に特化していたが、最近では、カブドットコム証券への投資信託の信託報酬実額シミュレーション・ツールおよび基準価額変動要因分析ツールの提供(2017年7月、9月)、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券への「Amazon Alexa」に対応する情報配信サービス「投資情報」スキルの提供(2017年11月)、みずほ証券への電話自動応答システムを用いた投資信託および市況概況情報のサービス提供(2017年12月)など、アセットマネジメント分野の RPA ソリューション全般に事業領域を拡げている。

2016年7月、Draper Nexus、Slogan、Coent Venture Partners、Viling Venture Partners らが共同運営するシードアクセラレータプログラム「Supernova(当時)」第1期のデモデイで優勝。2017年7月、MUFG DIGITALアクセラレータ第2期のデモデイでは、AWS 賞を受賞した。また、最近ではクラウドクレジットと共同で、後進のスタートアップを発掘する目的で資産運用に特化したハッカソンを開催している。

出典:THE BRIDGE

従来バラバラに行われていた情報の蓄積、加工、配信を自動化することはRPAの基本になりますね。上記は金融の情報配信を自動化するソリューションですが、画像認識AI内臓カメラを実用化しRPAソフトウェアを開発できれば、会社員の経費精算や稟議書等のビジネス文書作成も自動化が進みそうですね!

http://thebridge.jp/2018/02/robot-fund-series-a-round-funding

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AIがスタイリストの服のチョイスを支援!

STITCH FIX

創業6年で売上1,000億円を突破AIがスタイリストの服のチョイスを支援するStitch Fix(米国)】

女性、男性、キッズ、妊婦、大きなサイズから靴やアクセサリーまで幅広く商品を提供するStitchFix。Pinterestの画像情報服の好みを伝えると、AIがチョイスした商品をパーソナルスタイリストが5アイテム選んで郵送してくれます。このAIと人が選んだ5アイテムを「Fix」と呼んでいます。郵送サイクルは隔週、毎月、2ヶ月から選べます。気に入れば購入し、気に入らないアイテムは3日以内に返品します。気に入ったアイテムの代金は事前に登録してあるクレカから自動引き落としされ、気に入ったアイテムがない=購入しない場合はStyling Feeとして$20が引き落としされます。5アイテム全て購入すると25%OFFになります。

同社の2017年12月11日現在の株式時価総額は$2.2Bn(約2,400億円)です。Amazonが「Amazon Prime Wardrobe」、Nordtromが買収した「Trunk Club」も同様のサービスを提供する中で、今後どのようにAmazonなど競合と戦っていくのか注目ですね。

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【リアル店舗型ビジネスが持ちえないユニークな顧客データを保有する】

対面型の接客では持ちえない顧客データを数多く保有するStitchFix。次のタイミングで顧客データを取得します。初回利用時のアンケート 郵送した5アイテムについてのフィードバックデータ(購入や未購入履歴、価格感応度など③①を通じて得られる顧客が好む服の詳細データ(サイズ、シルエット、縫い目、ポケットの形、ライフスタイル)。また郵送した85%の商品について顧客のフィードバックデータが継続的に蓄積される仕組みになっています。

顧客の特性データを獲得後、下記①~②のようなビジネスサイクルに落とし込んでいます。「顧客の特性データをいかに獲得するか」と「顧客の特性データから購買予測と相関性の高いアルゴリズムをいかに構築するか」がこのビジネスの肝であることがよくわかります。

顧客アンケートから直接、特性データを収集

②①で収集した顧客の特性データをAIアルゴリズムで分析

③②の分析結果をプロのスタイリストが補正、よりパーソナライズされた服のチョイスを顧客へ提供

パーソナライズされた情報提供により顧客ロイヤルティーを向上

 出典:Hacker Noon

洋服を買わなくてもAIのスタイリングに$20かかるけれど、5アイテム全て購入すると25%OFFになるところがうまい料金設定ですね。スタイリストが介在しなくてもAIで完璧なスタイリングが出来る時代もすぐに来そうですね!

https://hackernoon.com/創業6年で売上1-000億円を突破-aiがスタイリストの服のチョイスを支援する-stitch-fix-sfix-の分析-2f3d03f5a49a

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外国人向け観光ビジネスが本格化!

WAmazing

訪日旅行客向け無料SIM「WAmazing」が10億円調達――開始約半年で1.2万人利用、セントレアにも受取ロボ設置】

 訪日外国人向けに無料SIMを配布し観光サービスを提供するWAmazing は9月7日、ANRI、BEENEXTをリードとする第三者割当増資および融資による資金調達を公表した。今回の資金調達ラウンドに参加したのはSBIインベストメント、みずほキャピタル、Sony Innovation Fund、BEENOS、オプトベンチャーズ、静岡キャピタルの6社。個人投資家としては青柳直樹氏と有安伸宏氏も参加している。

 調達した資金は日本政策金融公庫とみずほ銀行、静岡銀行からの融資も含めて総額約10億円で、それぞれの株式割当や投融資の比率、払込日などの詳細は非公開。同社では調達した資金で現在提供する「WAmazing」のサービス開発およびそれに伴う人材強化を進める

WAmazing はスマートフォンを中心とするモバイル通信 SIM観光案内アプリ予約案内などがセットになったサービス。開始当初iOSのみだったアプリは8月にAndroid版も提供開始、無料のSIMカードを受け取れる受取ロボット成田空港第1・第2・第3ターミナルの到着ロビーに加え、中部国際空港(セントレア)にも追加設置された。

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同社代表取締役の加藤史子さんに開始半年の状況について聞いたところ、アプリインストール数は8月末時点で3.5万件無料SIMの配布数は1.2万枚となったことを教えてくれた。事前登録や受取が空港のみという仕組み上、SIMカードの配布数はそのまま利用者数と考えていいだろう。なお、前述の通りこれは「iOSのみ」の数値だ。加藤さんは今後の数値見込みについてこう話す。 

「WAmazingがターゲットとする香港台湾のユーザーは8割程度がAndroidユーザーです。また約2000名のWAmazingユーザーにアンケートをとったところ約7割のユーザーが1年に1回以上、訪日しています。来訪間隔が想像以上に短い(高頻度で日本に来る)ことで、リピーターもユーザー数増加に寄与すると考えています。 目標では2018年3末までに10万以上のユーザー獲得を目指します。 

一方でタクシー移動やホテル予約、レジャーアクティビティの利用などをシステム的に連携させることはなかなか難しいそうだ。

 本当はUberのようにアプリ上で料金確定や行き先指定もできるというのが一番なのですが、日本の法規制などクリアすべき課題がある状況です。一方で宿泊施設の予約機能については8月から日本全国約1万件の宿泊施設がアプリ内で予約・決済完結できるようになりました。」

出典:THE BRIDGE

WAmazingは日本への観光客向けサービスですが、日本人が海外旅行するときに、現地キャリアに対応したSIMカードやモバイルWi-Fiルーター、日本語で案内してもらえる観光案内アプリも日本の空港や旅行代理店で手配できるといいですね!

http://thebridge.jp/2017/09/wamazing-raised-100m-yen

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一家に一台家庭用ロボットの時代!

Kuri

顔認識を利用して動画を録画する家庭用ロボット「Kuri」】

12月に最初の受注品が出荷される予定の家庭用ロボット「Kuri」は、製造メーカーの Mayfield Robotics が Kuri Vision と呼ぶ機能でユーザの顔を見るたびに動画を録画することができる。録画は、Kuri が顔認識機能を使って視界にいる人を特定すると開始される。そのほか、部屋や時刻に応じて起動・非起動のプログラム設定も可能だ。

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このモバイルロボットで録画されたビデオは Kuri のアプリでシェアできる。コンピュータビジョンの活用やアプリ内でユーザが好きな動画、削除した動画などに注意を払うことで、Kuri は、時刻、自宅内の場所、関わりのある人などの要素に応じてユーザの好みを時間とともに学習していく、と Mayfield Robotics の広報担当は VentureBeat に語った。

Kuri の小売価格は799米ドル音楽の再生や動画のライブストリーミングなど細かいタスクもこなせる。他にも、例えばあなたの飼い犬がソファに飛び乗ったときにアラートを発したりしてくれるので、Kuri のスピーカーから犬に注意することもできる。

今年、Kuri は特定のコマンドを聞いたときに踊る方法や、エネルギーが少なくなったときに自動で充電パッドのところに移動するといったテクニックもいくつか習得した。

Kuri はプラスチックのまぶた、ロボットらしいお尻、光る LED の心臓で表現活動を行う。これは同ロボットのメーカー Mayfield Robotics が romoji(ロモジ)と呼ぶもので、Kuri がユーザの指示を理解しているかどうかを教えてくれる。

また、Kuri は空間のマッピングにレーザーを使い、自分が部屋のどこにいるかを理解して壁や他の物体にぶつかるのを防ぐもし iRobot が思い通りテック大手企業などに空間データを販売するようになれば、Mayfield のような企業は Apple、Google、Amazon などとの競合が見込まれるだろう。

Mayfield Robotics の親会社は、ドイツの電機メーカー Bosch。同社が生み出したスタートアップには、農場の雑草を駆除してくれるロボットを製作する Deepfield Robotics もある。

出典:THE BRIDGE

近い将来、色々なロボットが実用化されると思います!トイレ掃除や風呂掃除ロボット、冷蔵庫の中身を管理するロボットや料理ロボットなんかがあると便利ですよね!ペットの代わりも登場すると思います!いずれ友達になってくれる猫型ロボットも普及するかもしれませんね(笑)!

https://youtu.be/rDJ01nVyNkw

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㈱ココカラファインのドミナント戦略

ココカラファイン

「M&A情報広場 by INCGROW」(https://ma-jouhouhiroba.jp/)に本日掲載された当事務所代表の寄稿した記事です。

戦略的M&A

東証1部上場で関東では関東「セイジョー」、関西「セガミ」などのドラッグストア、調剤薬局、介護事業所を展開している㈱ココカラファインは、東京都で調剤薬局・介護事業所を展開する㈱シニアコスモスの全株式を平成29年7月3日に株式譲渡により取得する予定と発表しました。

取得価格は非公開です。

異動する子会社の概要は下記のとおりです。

(1)商号  株式会社シニアコスモス
(2)代表者  宮﨑 文江
(3)所在地  東京都新宿区四谷2-5-4
(4)設立年月日  1989年5月2日
(5)事業の内容  調剤薬局・訪問介護サービス、居宅介護支援サービス等
(6)資本金 30百万円
(7)発行済株式総数 600株
(8)株主 テスコ株式会社(100%保有)


株式取得の理由は、下記のとおりです。

当社は、医療に携わる多職種協働により地域における在宅医療などを一体的に提供する「地域におけるヘルスケアネットワークの構築」を社会的使命と位置づけ推進しております。当取引により、エリアにおけるドミナントを深耕するとともに、調剤事業と連携した訪問介護・居宅介護支援事業の拡大、及び既存介護事業の拡充を図り、「地域におけるヘルスケアネットワークの構築」を加速させ、「人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」という経営理念の実現を目指してまいります。

M&Aによる介護事業の再建

㈱ココカラファインの平成29年3月期の介護事業の業績は同連結会計年度の有価証券報告書において次のような説明がされており赤字事業となっています。したがって介護事業の赤字解消のため黒字の介護事業所を有している会社を買収し介護事業の再建を図ったものと推測されます。

「訪問看護と機能訓練型リハビリデイの複合施設の収益化や本部費用の効率化などにより収益改善を図りましたが、訪問看護事業における先行投資や人件費高騰等の影響をカバーすることができず、平成29年3月期の売上高(連結)は2,410百万円(前連結会計年度比7.5%増)、セグメント損失(営業損失)は前連結会計年度比8百万円減の79百万円となりました。」

また、赤字となっていたと推測される介護事業所に関しては、平成29年4月1日にこれまでココカラファイングループの㈱ファインケアが運営していた埼玉県、茨城県の9ヶ所にある介護事業所が株式会社ソラストに事業譲渡されています。

この結果、ココカラファイングループの介護事業所は東京都に集約され、エリアのドミナントが深耕されました。

M&Aによるドミナント戦略の展開

ドミナント戦略とは、チェーンストアが地域を絞って集中的に出店する経営戦略です。ドミナント戦略が成功すれば、同一商圏内で市場占有率を高めることにより知名度向上やコスト削減が効率的に行えます。

㈱ココカラファインはドラッグストアを1,293店舗(内238店舗調剤取扱)出店していますが、調剤薬局は11店舗、介護事業所は埼玉県、茨城県、東京都にしかないため、全国の8割の地域に出店し各地域で相当数の店舗を出店しているドラッグストアと比較すると調剤薬局と介護事業所はドミナント戦略におけるドミナントが進んでいない模様です。そこで調剤薬局と介護事業に強みを持つ㈱シニアコスモスに白羽の矢を立てたものと推測されます。

ただし、買収した㈱シニアコスモスの売上高は、平成27年3月期:666百万円、平成28年3月期:631百万円、平成29年3月期:574百万円と年々減少しているため、ドミナント戦略により東京での介護事業の業績を向上させるとともに、ココカラファイングループが取り組んできた地域医療と緊密に連携した介護事業を展開していくことや、来店が困難な患者向けに在宅服薬指導を行うなど調剤事業と介護事業の連携を図っていくことが急務であると思われます。

HR Techが就職活動を変える!

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HRTechを手がけるVISITS Technologies総額5.7億円の資金調達パーソルキャリアとの業務提携で技術研究も加速】

VISITS Technologies(旧社名VISITS WORKS)は7月6日、PERSOL INNOVAITON FUND、ベクトル、三菱UFJキャピタル、既存株主などを引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。ここに日本政策金融公庫の新事業挑戦支援制度を用いた借入を合わせ、調達した資金は総額5.7億円となる。第三者割当増資の株式比率や借入金額、払込日等の詳細は非公開。同社は企業が社員のキャリア情報を掲載するOB訪問サービス「VISITS OB」業界研究アプリ「VISITS Q」などHR Tech分野のサービスを提供している。

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学生時代に、会社で働くイメージをつかむための道はいくつかある。OB・OGを訪れ、会社の話を聞くという方法は、広く知られたアプローチのひとつだろう。VISITS WORKSが提供する「VISITS OB」は、学生にとっても企業にとってもOB訪問をやりやすくしてくれるサービスだ。

「VISITS OB」は学生に対するキャリア教育を目的として運営され、企業が社員のキャリアに関する情報を掲載する会員制プラットフォームとなっている。

社員は自身の情報をサービスに登録しており、学生は会員登録すると、各企業で活躍する社員の詳細なキャリア情報を閲覧できる仕組みだ。

既に大手を中心に5,000名以上の社員がプロフィールを登録しており、就活生以外の大学1、2年生にも広く開放され、学生側の登録数も約14,000名となっている。学生のアクティブ率はMAUが67%となっており、アクティブ率も高い。

学生は、「この人に話を聞いてみたい」と思った社員の人に訪問リクエストを送る。社員側も話してもいいと思えたら、マッチングが成立。サービス内でメッセージのやりとりをして、訪問の日程調整などを行う。

サービス開始から約半年で、学生からの訪問リクエスト数は約13万件マッチングの成立件数は約8万件となっているという。

学生は幅広い社会人にアプローチすることができ、企業にとっても学生側から社員がどう見えているのかがわかり、企業のブランディングにつなげていくこともできることから、注目されているそうだ。

今回の資本提携とあわせて、同社はパーソルホールディングスの子会社であるパーソルキャリアとHRTech分野で共同研究開発を実施する業務提携に基本合意したことも発表した。パーソルキャリアの人材領域におけるノウハウと同社の強みとするデータ解析やアルゴリズム設計により関連技術の開発を推進する

さらに同社は社名をVISITS WORKSからVISITS Technologiesへ変更し、PERSOL INNOVATION FUND代表の加藤丈幸氏が同社取締役に就任するなど、データサイエンティストおよび技術開発責任者の採用などを通じて組織体制の強化も進める。

出典:PRTIMES

学生だけでなく社会人も、最近の色々なキャリアや給与の実例を自分で調査できるようになるといいですね!転職エージェントも相談に乗ってくれますが、自分のキャリアや希望に応じた転職先や職種は自分で調査しないと満足できないと思います!

http://thebridge.jp/prtimes/243613
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㈱ダイヤモンドダイニングによる㈱商業藝術買収の経営判断

ダイヤモンドダイニング

「M&A情報広場 by INCGROW」(https://ma-jouhouhiroba.jp/)に本日掲載された当事務所代表の寄稿した記事です。

飲食業同士のM&A

飲食チェーンの㈱ダイヤモンドダイニング(東証1部上場)は、広々とした小上がり席でくつろげるカフェ「chano-ma」、京都おばんざいをメインにした和食店「石塀小路豆ちゃ」の業態をはじめとした飲食店等を展開している㈱商業藝術の発行済全株式を18億円で取得し完全子会社化しました。

買収された㈱商業藝術は、平成5年の創業以来、上述の「chano-ma」「石塀小路豆ちゃ」の他、開放的な海沿いのゲストハウスウェディングの「CASA FELIZ」等、広島県をはじめ関東圏、中部圏、関西圏、福岡県など幅広いエリアで事業を展開し、平成29年3月末現在、国内にて 飲食直営店舗80店舗、結婚式場1店舗、美容室2店舗の合計83店舗を運営しています。

なお、㈱ダイヤモンドダイニンググループは、平成7年6月の創業以降、現在は飲食事業を中心に、アミューズメント事業、ウェディング事業へも事業領域を拡大し、平成29年3月末現在、国内外合わせて274店舗(持分法適用会社の株式会社ゼットンを含めると340店舗)を直営展開しています。

この買収にはどういった経営判断があったのでしょうか。

㈱商業藝術の平成28年9月期の売上高は7,616百万円、経常利益は163百万円、経常利益率は2.16%でした。買収の直近期の経常利益率を比較すると、平成29年2月期の㈱ダイヤモンドダイニングの経常利益率は4.7%であり、同社の半分以下のかなり低い状況でした。これが何を意味するかと言うと、仮に買収価格がDCF法をベースにして計算されているとすれば、㈱商業藝術の将来キャッシュ・フローが低水準であったため、売上規模の割には割安価格で買収できたのだと想像できます。

加えて、利益率が低いということは、買収後の改善施策によりまずは㈱商業藝術の業績を向上させることができれば㈱ダイヤモンドダイニング(連結)のROEがかなり向上することを意味します。平成29年2月期の同社のROEは16.6%(=親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産合計-新株予約権-少数株主持分))でしたが、買収後の㈱商業藝術が㈱ダイヤモンドダイニングと同じ2.1%の親会社株主に帰属する当期純利益率に改善したとすると親会社株主に帰属する当期純利益が162百万円増加するため、買収後のROEは20.8%に上昇します。

つまり、割安価格で買収できる会社を選び買収資金を低く抑えると共に、買収した会社の業績を改善することにより自社の企業価値向上を狙う意図の買収であったと推測できます。

具体的な改善施策は㈱ダイヤモンドダイニングの適時開示書類の平成29年4月27日「株式会社商業藝術(旧商号 Jellyfish.株式会社)の全株式取得(子会社化)に関するお知らせ」で説明されており次のとおりです。

「当社は、商業藝術社の株式を取得することにより、双方が持つブランド及びこれまでに培ってきた業態開発ノウハウ、立地戦略、教育システム、管理システム並びに仕入等を共有し、また、積極的に活用することで企業価値の更なる向上及びコスト削減等のシナジー効果を創出することが可能であると考えております。」

上記では、飲食事業を中心に各種のノウハウを共有することで既存事業の業績を向上することが可能と判断した旨が説明されております。

その他、㈱ダイヤモンドダイニンググループの今後の事業展開に与える影響として次の説明がされております。

「加えて、当社グループが積極的に参入していない、「中国地方での直営飲食店の展開」及び「商業施設等でのノンアルコール業態」を強みとした事業展開を行う商業藝術社が当社グループに参画することで、当社グループ内での、エリア展開領域の拡大及び事業領域の拡充を実現できると考えております。」

その後、「ひいては、当社グループの事業基盤の拡大による企業価値の向上につながるものと判断し」という記述が続き、この買収は今後の事業展開にも有利に働き、グループ全体の企業価値の向上につながると判断した旨が説明されております。